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2017年10月16日

米国発、新しい認知症治療の基本的な考え方【ReCODEプロトコル】

ブレインケアクリニックでは40代から始めるオーダーメードの認知症予防プログラムを提供していますが、同様に初期アルツハイマー病、あるいはMCIの個別医療を始めているドクターがアメリカにいます。本記事では、カルフォルニア大学ロサンゼルス校のデール・ブレデセン医師らが提唱するReCODEプロトコルという治療法の基本的概念を紹介します。文中、特にわかりにくいと思われる専門用語には解説ページのリンクを貼っていますので、参考にしてください。

アルツハイマー病は単一の方法では治療困難

現在、治療薬開発の主眼はアルツハイマー病の脳に多く見られるアミロイドβやタウといった脳の老廃物をいかに減らすかという点に関心がおかれていますが、ブレデセン医師はアルツハイマー病を治療するには不十分であり、以下のようなメカニズムが必要と提唱しています。

 

  • APPβ・APPγ切断を減らし、APPα切断を増やす(APP:アミロイド前駆タンパク
  • カスパーゼ6切断とカスパーゼ3切断を減らす
  • アミロイドオリゴマー化を防ぐ
  • ネプリライシンを増やす
  • IDEを増やす(IDE:インスリン分解酵素)
  • ミクログリアによるアミロイドβの除去を増やす
  • オートファジーを増やす
  • BDNFを増やす
  • NGFを増やす
  • ネトリン-1を増やす
  • ADNPを増やす(アルツハイマー病の診断バイオマーカー)
  • ホモシステインを減らす
  • PP2A活性を増やす
  • リン酸化タウを減らす
  • 食作用系数(phagocytosis index)を上昇させる
  • インスリン感受性を高める
  • 軸索内輸送を改善する
  • ミトコンドリア機能および生物発生を増強する
  • 酸化ストレスを減らし、活性酸素の産生を減らす
  • コリン作動性神経の機能を高める
  • アルツハイマー病(AD)抑制シグナルを増やし、AD促進シグナルを減らす
  • LTPを改善する
  • エストロゲン、プロゲステロン、遊離T3、遊離T4、TSH、プレグネノロン、テストステロン、コルチゾール、DHEA、インスリンを最適化する
  • 炎症を軽減する
  • レゾルビンを増やす
  • 解毒力を強化する
  • 血管新生を改善する
  • cAMPを増加させる
  • グルタチオンの増加
  • シナプス成分の提供
  • 全ての金属の最適化(過不足のないようにするということ)
  • GABAを増やす
  • ビタミンDシグナルを増加させる
  • SirT1を増加させる
  • NFkBを減少させる
  • テロメアの長さを増加させる
  • 修復力を強化する

 

これだけの因子を改善するには、たった一つの薬ではとうていカバーしきれません。また、全ての人が同じような原因でアミロイドβが蓄積しているわけでもありません。したがって、アルツハイマー病治療は、発症した原因を注意深く探り、一人一人にあった対応をしないといけないというわけです。

アルツハイマー病のリスクをあげる主要な要因

ブレデセン医師は、アルツハイマー病の発症リスクを上げる要因として、主要なものは3つあるといいます。その3つとは、①炎症、②栄養不足、③水銀などの毒素への暴露。炎症は、細菌やウィルスなどによる感染性のものと、微生物によらない無菌性のものがあります。その代表が糖とタンパク質が結合してできる最終糖化産物(AGEs)などによるものです。AGEsとは、いわば体内のコゲ。砂糖と小麦粉を混ぜて作ったきつね色のパンケーキを思い浮かべていただくとわかりやすいでしょう。このように糖とタンパク質が結合すると元のタンパク質の性質は失われ、炎症の原因となります。炎症と認知機能の関連は多くの研究で指摘されており、体内の炎症の程度と認知機能低下、あるいは認知症の重症度などが相関することがわかっています。栄養不足は神経栄養因子による神経の新生効果や、エストラジオールなどのホルモンによる神経保護作用、ビタミンDによる免疫調整作用の低下に繋がります。神経の健康を維持するために必要な栄養素を十分に補給しておくということは、認知症予防において非常に大きな意味を持ちます。そして、3つ目の毒素の例としては水銀が第一に挙げられています。水銀中毒による神経疾患、水俣病を思い出していただければ理解しやすいでしょう。このような有害金属などは、生体の機能を狂わせ、ホメオスタシス(体内の環境を一定に保つこと)の維持のためにアミロイドβを増やす原因になりうる可能性があります。

アルツハイマー病はアミロイド前駆タンパク切断に関するシグナルの不均衡が原因である

前述のように、アルツハイマー病の発症には、①発症を促進する因子と②発症を抑制する因子があることがわかりますが、最終的にはアミロイドβの材料となる「アミロイド前駆タンパク(APP)」をどこで切断するかということにつながります。アミロイド前駆タンパクは、切断される場所によって神経を保護する物質にも神経を障害する物質にもなりえるのです(図1)。ですから、「発症促進因子」<「発症抑制因子」となれば、アルツハイマー病の発症あるいは進行を抑え、症状を改善することが可能になると考えられます。おもな発症促進因子はNFκBなどの炎症を促進する物質、ホモシステインPAMPs / DAMPs、インスリン抵抗性、栄養不足、ホルモン不足、保護因子の低下(セレン、グルタチオンなど)、毒の暴露 、発症抑制因子はレゾルビン、抗炎症薬(オメガ3脂肪酸など)、神経栄養因子(BDNF、NGFなど)、ホルモン、ビタミンD、解毒、栄養補給などになります。

次回の記事ではReCODEプロトコルによる実際の診断プロセスをご紹介したいと思います。

 

図1 アミロイド前駆タンパク(APP)の切断部位による変化

(Aging (Albany NY) 6: 707–717, 2014.)

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