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2017年02月13日  2017年02月13日

認知症の予防法詳細解説 ストレスによる悪影響とその対処まとめ

そもそもストレスとは

ストレスというのは、心身に変化をもたらすあらゆることを指します。ですので、別に精神的なことばかりがストレスではないのです。暑さや寒さ、騒音、悪臭、大気中の有害物質、質の悪い食事などもストレスになります。が、現代においては精神的なストレスが慢性的に重なってしまうことが大きな問題になります。そもそも原始時代においては、精神的ストレスのかかる状況は猛獣に襲われたり、天災に巻き込まれたりすることくらいでした。こういう危険な状況の時、人間は逃げるか、戦うか、いずれにしても素早く対処しなければいけません。そこで、コルチゾールやアドレナリンなど、いわゆるストレスホルモンが分泌されて交感神経を刺激し、心拍数を上げ、血圧を上昇させます。その一方で、末端の血管は収縮し、血液を心臓に集め、怪我をした時に備えて血液を固まりやすくします。危機的な状況が一時的な時は、このメカニズムがうまく働いていました。しかし、現在は猛獣に襲われたり、天災に巻き込まれたりする危険がほぼなくなった一方、人間関係や仕事や金銭的な問題など、精神的なストレスがどんどん増えていきました。こういったストレスはすぐには命に関わらないのですが、すぐに解決される問題ではないので、精神的なストレスが長期にわたって続きます。ストレスホルモンが出ている間は全身の血管が収縮して血流が悪くなり、結果として神経細胞が活動するのに必要な酸素や栄養が届かなくなってしまいます。また、脳は高濃度のストレスホルモンに慢性的にさらされることになりますが、実はストレスホルモンは神経細胞にダメージを与えるのです。特に弱い海馬という記憶を保持する部分の萎縮が進みます。

さらに、ストレスホルモンによる心拍数や血圧の上昇が慢性的に続くと、脳の血管が破裂して脳出血を起こすリスクも高くなります。このように、現代人にとってはストレスをいかに管理するかということも認知症予防に必要な要素の一つなのです。

 

どうすればストレスを減らせるのか

精神的なストレスは、考え方を変えることによっても変えることができます。例えば、「出社時、挨拶をしたのに返事が返ってこなかった」という状況をあなたはどう考えますか?「たまたま聞こえなかったのかな」と思うこともできれば、「私が嫌いだから無視したのだ」と考えることもできます。こういう場合、明らかに後者の方がストレスは大きいですよね?自分を嫌っている明らかな根拠がないのならば、このようなネガティブになりやすい考え方の癖を直した方が少ないストレスで日々を過ごすことができます。「考え方がネガティブになりやすい!」とお悩みの方は、ぜひ認知療法、認知行動療法、CBTなどと呼ばれる方法をお試しください。おすすめの書籍は大野裕先生の「こころが晴れるノート」です。

交感神経の働きを和らげる副交感神経を自分の力で働かせる「自律訓練法」もオススメです。ドイツの精神医学者が開発した由緒あるリラックス法で、やりかたも簡単です。安定した姿勢で椅子に座る、あるいはベッドに仰向けになって、「気持ちがとても落ち着いている」「両手両足が重たい」「両手両足が温かい」などの決められたフレーズを順番に、実感できるまで繰り返すだけ。慣れるまでやや練習が必要ですが、いつでも気楽にでき、不眠にも効果的な方法です。テキストとしておすすめなのは佐々木雄二先生の「新装版自律訓練法」。他にも色々出ていますので、お気に入りの本を探してください。

また、ここ数年マインドフルネスという瞑想法に注目が集まっています。マインドフルネスは仏教の禅からヒントを得て、宗教色を廃したもので、いまやGoogleなどの有名IT企業や学校、刑務所などにも取り入れられているそうです。この瞑想が効果的な理由は、「今、この瞬間に意識を集中させる」から。実は、私たち人間は、無意識のうちに過去の嫌な体験や未来に対する不安を想像し、みずからストレスを生み出しています。ある研究によれば、1日のうちに占めるその割合はなんとほぼ5割。これをカットできれば相当ストレスが減るだろうと予測できます。こちらもやりかたは簡単。床の上でも椅子に腰掛けてでも構いませんが、安定した姿勢で座り、自分の呼吸をよく観察するだけです。それだけだと気が散りやすい人は、息を吸う時に「膨らみ、膨らみ」、吐く時に「縮み、縮み」と頭の中で唱えるという方法があります。マインドフルネス中はいろいろな雑念が浮かぶと思いますが、余計なことを考えていることに気がついたら、やさしく考えを手放し、また呼吸に集中しましょう。1日10分でも効果があると言われています。マインドフルネスのオススメ参考書は、CDも付いている「マインドフルネス瞑想法」です。

瞑想のすごいところは、脳にも変化が現れるということ。たとえば、瞑想を習慣としている人は、そうでない人と比べて脳の萎縮が少ない[1]、マインドフルネスを元にした訓練をアルツハイマー病の人が2年間続けたところ、認知機能低下が少なかった[2]といったような報告がされています。

 

いままで瞑想に縁がなかった方も多いと思いますが、これを機にチャレンジしてもらえるとうれしいですね。

 

以上、認知症の予防法詳細解説 ストレスによる悪影響とその対処まとめでした。

 

認知症を予防する食事についてはこちら

認知症を予防する運動についてはこちら

 

 

1 Luders E, Cherbuin N, Kurth F, Lauche R. Forever Young (er): potential age-defying effects of long-term meditation on gray matter atrophy.            Deutsche Zeitschrift für . (2015).

  1. Quintana-Hernández DJ, Miró-Barrachina MT, Ibáñez-Fernández IJ, et al. Mindfulness in the Maintenance of Cognitive Capacities in Alzheimer’s Disease: A Randomized Clinical Trial. J. Alzheimers Dis. 50(1), 217–232.

 

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