側頭葉の機能低下を疑う症状 | ブレインケアクリニック

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2017年08月31日  2017年11月16日

側頭葉の機能低下を疑う症状

側頭葉はシルビウス裂より前頭葉との境界線を有し、上・中・下側頭回から構成される。上側頭回には聞こえてきた音を識別し認識する一次聴覚野(Brodmannのarea41,42)がある。また、側頭葉内の側脳室の前外側を覆うように走行する視神経を損傷すると、同名上1/4(半)盲をきたす。側頭葉内側損傷による記憶障害は、病識があり、作話を伴わないことが多い。

 

感覚性言語野

左上側回後方には感覚性言語野があり、Wernicke野(Brodmannのarea22)とよばれ、話し言葉や文字の読解に関与する。この部位の障害では、流暢性の失語症をきたし、錯語(1)やジャルゴン(2)を伴うことが多く、また左下側頭回から内側下面の病変では、失名辞失語(3)や語義失語(4)、そのほか漢字の失読失書などをきたすことも知られている。

(1)錯語:失語症にみられる症状で,ことばの一部、あるいは、ことばそのものを誤って言ってしまう。

(2)ジャルゴン:言おうとしている言葉の推測が不可能なほど意味のとれない言葉が連続してしまう。

(3)失名辞失語:言いたいことが言えない。「あれ」「それ」などの代名詞が増える。鉛筆のことを「あの書くやつ」のように名称のかわりに用途を述べるといった言い回しが多くなる。

(4)語義失語:単語を正しく聞き取り復唱できるが、文章を構成する単語やことわざなどの比喩的表現の意味がわからなくなる。たとえば、「かき氷」と言われて「かき氷、かきの氷のことですか?」というような反応がみられる。

 

■聴覚失認

音は聞こえているが、その音が何か認識できない病態。

 

参考文献:脳解剖から学べる高次脳機能障害リハビリテーション入門 改訂第2版 診断と治療社

 

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