2017年10月2日 2017年10月2日
「うつ」と食生活 byスタッフ
「うつ」は心の病気と考えられていますが、心を作っているのは脳であり、脳に影響を与えているのは皮膚や血管も含む各臓器です。そして、臓器を健康に保つのは普段食べている栄養が最も重要な要因のひとつ。普段の食生活を見直して「うつ」にならない体づくりをしましょう!
「うつ」の人の食べ方には共通点があります。
- 食べない・・・・・カロリーを気にして食事を控えすぎ、栄養不足に陥っている
- 糖質依存・・・・・米、パン、麺類、甘いお菓子などの糖質をたくさん食べている
- ドカ食い・・・・・ストレス解消に大食いしたり、食事の回数や時間帯が定まらず、食いだめしたりしている
- 単品食い・・・・・野菜だけ、果物だけなど、特定の食品に偏りすぎている
思い当たる人は食生活を見直してみてはどうでしょうか。
心を作る脳のメカニズム
実は心のありようや感情の起伏は脳が作っています。
脳には膨大な数の神経細胞があり、神経伝達物質を介して情報伝達が行われています。その時々の心の状態や感情をつくり出すのもその中の神経細胞なのです。
担い手はそれぞれに違う働きをする興奮系、抑制系、調整系の神経細胞です。それぞれの系列の神経細胞から、神経伝達物質が適切に分泌されてバランスが取れていると、心も感情も安定した状態です。ところが、神経伝達物質のバランスが崩れると、安定が失われます。悲しみや怒り、イライラや不安などの感情が湧き上がってきます。うつなどに伴うそれらの感情は、脳のなかで神経伝達物質のバランスが崩れることで起きている、と言っていいでしょう。
3つの神経伝達物質の働き
興奮系、抑制系、調整系、3つの神経伝達物質の中で、一番種類が多いのが興奮系です。ノルアドレナリン、ドーパミン、アセチルコリン、グルタミン酸などです。
これらが適度に分泌されていると、元気があってやる気にもあふれ、ほど良い緊張感がありながら、気分も良いという好ましい心の状態になります。逆に不足すると、元気がなくなり、気分も暗く落ち込むことになります。
抑制系の神経伝達物質の代表格がGABAで、脳の神経細胞の30%を占めています。興奮した脳を鎮めるのがGABAの働きです。興奮系がアクセルなら、抑制系はブレーキ役を果たしています。
調整系の伝達物質では、セロトニンが代表格です。セロトニンは興奮系の神経伝達物質に分類されますが、行動に対してそれを抑えたり、鎮めたりするなど、抑制的に作用することから、調整系として扱われています。
うつの治療薬は、この3つの神経伝達物質のバランスを整えるような設計がされています。
「心って脳が作っているんだ」と驚かれた方もいるのではないでしょうか。
心を健康に保つためには、脳のなかの神経伝達物質のバランスを適正に保つことが必要です。そのために不可欠なのが栄養です。神経細胞も神経伝達う物質も、栄養を『材料』として作られているからです。必要な栄養が過不足なく供給されなければ、神経細胞も神経伝達物質も、その役割を十分に果たすことができません。
そのことは、以前お話したうつの人に共通する食傾向がある、ということとも符合しています。「食傾向の誤り→脳の栄養不足→神経伝達物質のバランスの崩れ→うつ症状」という構図です。
「脳の栄養不足」には5つのタイプがあります。
- 低血糖症タイプ
- 鉄欠乏タイプ
- 亜鉛欠乏タイプ
- ビタミンB群欠乏タイプ
- たんぱく質欠乏タイプ
次回以降の記事で、各栄養不足のタイプの症状の特徴や対処法などについてご紹介したいと思います。
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