2018年03月21日 2018年03月21日
うつと栄養のお話 その2
今回は、前回お話した3つの伝達物質について、それぞれの働きを話していきたいと思います。
☆3つの神経伝達物質の働き
興奮系、抑制系、調整系、3つの神経伝達物質の中で、一番種類が多いのが興奮系です。ノルアドレナリン、ドーパミン、アセチルコリン、グルタミン酸などです。
これらが適度に分泌されていると、元気があってやる気にもあふれ、ほど良い緊張感がありながら、気分も良いという好ましい心の状態になります。逆に不足すると、元気がなくなり、気分も暗く落ち込むことになります。
抑制系の神経伝達物質の代表格がGABAで、脳の神経細胞の30%を占めています。興奮した脳を鎮めるのがGABAの働きです。興奮系がアクセルなら、抑制系はブレーキ役を果たしています。
調整系の伝達物質では、セロトニンが代表格です。セロトニンは興奮系の神経伝達物質に分類されますが、行動に対してそれを抑えたり、鎮めたりするなど、抑制的に作用することから、調整系として扱われています。
うつの治療薬は、この3つの神経伝達物質のバランスを整えるような設計がされています。
「心って脳が作っているんだ」と驚かれた方もいるのではないでしょうか。
心を健康に保つためには
心を健康に保つためには、脳のなかの神経伝達物質のバランスを適正に保つことが必要です。そのために不可欠なのが栄養です。神経細胞も神経伝達う物質も、栄養を『材料』として作られているからです。必要な栄養が過不足なく供給されなければ、神経細胞も神経伝達物質も、その役割を十分に果たすことができません。
そのことは、以前お話したうつの人に共通する食傾向がある、ということともぴたりと符合しています。「食傾向の誤り→脳の栄養不足→神経伝達物質のバランスの崩れ→うつ症状」という構図です。
次回は、脳の栄養不足についてお話します。
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