主な頭痛の対処法 ～自律神経を整える～ | ブレインケアクリニック

2024年04月26日　 2024年05月9日

主な頭痛の対処法 ～自律神経を整える～

誰にとっても頭痛は辛いもの。頭痛が起きると気持ちも落ち込みますし、仕事のパフォーマンスも低下してしまいます。今回の記事では、主な頭痛の種類、原因、そして予防・対処法について解説します。

頭痛はなぜ起こるのか？

一般的な頭痛は首や肩の筋肉が緊張して固くなり、血行が悪くなることによって起こる「緊張性頭痛」です。緊張性頭痛の症状は「頭全体が締め付けられるような鈍い痛み」です。スマホなどをよく見る人は「目の奥の痛み」を伴うことがあります。

次に多いのが片頭痛です。片頭痛の症状は「脈打つような痛みやズキズキする痛み」です。頭の片側のことが多いですが、両側に生じることもあります。しばしば運動、光、音、匂いなどによって悪化し、吐き気や嘔吐を伴うこともあります。

いずれもストレス、睡眠不足、天候の変化、空腹、感覚への刺激などの要因が引き金となって発生しますが、背景にあるのは自律神経の乱れです。自律神経の乱れには血糖値の変化やビタミン・ミネラルなどの栄養素の不足、腸内環境の乱れなども影響するので、根本的に治すためには生活習慣全般を見直す必要があります。

自宅でできる頭痛の予防と対策

・姿勢を正す：ある研究によれば、首の傾きが１５度になると首の負担は１２kgとなり、６０度だと２７kgにもなるそうです。できるだけ背筋をまっすぐにして首の負担を減らしましょう。バランスチェアなど姿勢を矯正する椅子やクッションの活用も有効です。これだけでもかなり頭痛が起きることを防ぐことができます。モニターの高さを調整することも重要です。厚生労働省によれば、顔とディスプレイの距離はおおむね40cm以上とり、ディスプレイの上端が眼の高さとほぼ同じか、やや下になる高さにすることが望ましいとされています。ここも合わせてチェックしておくと良いでしょう。

・寝不足・寝すぎを避ける：睡眠質が悪化して自律神経の働きが乱れ、頭痛が起こることがあります。

・規則正しい時間に食事を取る：空腹や低血糖が頭痛の原因になることがあります。なかなか食事を取る時間がない人は、鞄や机にナッツなどすぐに食べられるものを常備しておくと良いでしょう。

・ビタミンB群を摂る：ストレスがかかるとビタミンB群が消費され、リラックスするためのホルモン「セロトニン」・「GABA」が作られにくくなることがあります。このような場合、ビタミンB群をサプリメントから1日数回補充することで不安や緊張が緩和され、頭痛が起きにくくなります。私はこのタイプで、ビタミンB群の摂取で頭痛がほとんど出なくなりました。

・マグネシウムを摂る：マグネシウムには筋肉の弛緩作用があり、頭痛の緩和にも役立ちます。マグネシウムは藻類、魚介類、穀類、野菜類、豆類などに多く含まれています。エプソムソルトという入浴剤を使うと皮膚を通じてマグネシウムを吸収できます。

・カフェインを減らす：コーヒーやエナジードリンクに含まれているカフェインは交感神経を刺激する作用があります。交感神経が刺激されると筋肉が収縮し、末端の血管も縮むので血液の流れが悪くなります。なお、カフェインを日常的にとっていた人が急に止めると離脱症状で頭痛が出ることがあるので、心配な人は少しずつ量を減らしていきましょう。

・お酒を減らす：アルコールが体内で代謝されて生成される物質が頭痛を引き起こすことがあります。

・ワイン・チーズ・チョコレートを避ける：食べ物の特定の成分が頭痛を起こすことがあります。

・換気をこまめに行う：空気中の二酸化炭素雨が増えると、頭の中の血管が拡張して偏頭痛を起こす原因になります。マスクの着用によっても起こりやすくなりますので気をつけましょう。

頭痛が起こった時の対処法

いくら予防に気をつけていても頭痛が起こってしまうことがあります。実際に頭が痛くなった時におすすめの対処法も合わせてご紹介します。

首筋を温める：首を蒸しタオルやカイロなどで温めることで首と肩の筋肉がほぐれ、血行が良くなることにより頭痛が緩和します。

肩・首を回す：肩や首をゆっくり回すことによって筋肉のこりがほぐれます。デスクワークが多い人は30分〜１時間ごとに行いましょう。

頭皮をマッサージする：頭皮をマッサージしてほぐすことで、頭部全体の血行が良くなります。

ブレインケアクリニックでは、一人一人に応じた治療法をご提案しています。頭痛でお悩みの方はお気軽に受診してください。

医療法人社団TLC医療会 ブレインケアクリニック 心療内科/精神科

名誉院長 今野裕之

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